エコシステムとは?(その2)<5分で解るシリーズ>

ビジネスにおけるエコシステムとは?

その1はこちら

セキュリティ・トークンやブロックチェーンに関連する記事や論文には、しばしば「エコシステム」という言葉が登場します。
前回は、従来の意味でのエコシステム(生体系)と、新しい定義のエコシステムについて簡単に解説しました。
今回は、新しい定義でのエコシステムについて具体例を挙げて説明しましょう。

 

ビジネスにおけるエコシステムの例

ビジネスシーンでエコシステムという言葉が使われる場合、例えばマンガやアニメなどがメディアミックスで展開していく例が解りやすいでしょう。
1つの漫画を核にして、アニメ化、小説化、映画化したり、関連グッズが作られたり、キャラクターをパッケージに使った商品が展開されたり、町興しをしたり、という記事を目にされたことがあると思います。この場合は、その元となった漫画を中心としたエコシステムがある、と表現する事が出来ます。

また、Googleが提供するアンドロイドOSは、スマートフォンというハードウェアだけでなく、アンドロイドOS上で稼働するソフトウェアや、そのソフトウェアを通じて行われるユーザー同士の繋がりまでも含めた、非常に広範囲なエコシステムを構築していると言え、アンドロイドOSのエコシステムと表現できます。あるいは、視点を変えればスマートフォン(iOS除く)のエコシステムとも言えますし、スマートフォン利用者のエコシステムとみることもできるでしょう。

このように、ひとつの核となる商品やシステムが存在し、それを用いたり繋がったりして、人・モノ・金・情報が連動することが広義のエコシステムです。

 

ブロックチェーンにおけるエコシステムの例

では、ブロックチェーン関連業界でエコシステムという言葉が用いられるときはどのような条件が考えられるでしょうか?

小規模なものは、ひとつの草コインが持つ小さなコミュニティーから、大規模なものでは、複数の企業やプロジェクトが関連する市場横断的なエコシステムまでさまざまに考えられます。

草コイン(利用者が非常に少ない弱小仮想通貨)のエコシステムはとても解りやすいです。例えば、ある喫茶店チェーンが自社店舗だけで利用できる仮想通貨を発行したとします。このコインの利用方法は、顧客がコインを買って、店舗で支払時に利用する。それだけです。ポイントシステムとほとんど変わらない、極めて限定的な利用シーンしか想定できません。このような草コインのエコシステムは同様に極めて限定的で小規模です。
このような場合、このコインはエコシステムが小さいとか限定的であると表現し、一般的には悪いエコシステムの例とされます。

一方で、輸出入を透明化するためのブロックチェーン利用の取組みについて、エコシステムの観点から検証してみましょう。
1本のワインを輸入する際、フランスの生産者から日本の小売店へ届くまでに、40の企業または機関が関わり、200枚の書類が作成されると言われます。
これらの複雑な手続きをブロックチェーンを用いて透明化し、関係者全員がリアルタイムに閲覧できるようになるシステムは、ブロックチェーンが本領を発揮する分野です。商品(この場合はワイン)ひとつにトークンを割り当てて、流通を監視し、また受渡、支払、税金等の手続きもトークンに紐付けて行うことで、透明化され簡素化されるのですが、ここでは詳細は割愛します。

このようなブロックチェーン・システムは、上記の通り、商品ひとつにつき関連する40の企業や機関と、200枚の書類を扱うのですから、取扱商品が数千点にもなれば、そのエコシステムも巨大なものとなるのは想像に難くないでしょう。このような場合は、エコシステムが巨大であるとか、複雑であると表現されます。

(その3に続く)

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です