ICOの解禁がもたらす影響

ICOの解禁後にSTO解禁はあるのか?

 

金融庁は、今国会で金融商品取引法の改正法案を提出する予定です。 改正法案では、ICOに対する法的位置付けが明確化され、条件付きでICOを許可する内容となると予想されています。 仮想通貨を用いた資金調達の解禁は、STOの解禁に直結するため、IT業界や金融業界から注目が集まっています。

 

金商法改正法案

金融庁が提出予定とされている法案は、まだ公開されていません。 しかし、その内容は予想できます。同庁は昨年「仮想通貨交換業等に関する研究会」を11回開催し、その報告書を12月に公開しました。今国会で提出される予定の法案は、この報告書に基づくものになるでしょう。

 

「仮想通貨交換業等に関する研究会」報告書の概要

「仮想通貨交換業等に関する研究会」報告書によると、主な改正項目は次の3点です。

 

・ICOに対する法的位置付けの明確化(有価証券と同等の規制適用など)

・仮想通貨取引所の業務管理に対する規制強化(適宜開示や不適切な仮想通貨の取扱い禁止など)

・仮想通貨取引に対する規制強化(レバレッジの上限設定や説明義務など)

 

ここで重要なのは、ICO(Initial Coin Offering)への対応です。ICOについては、次のように記されています。

◆投資性を有するICOへの対応

  • 仮想通貨による出資を募る行為が規制対象となることを明確化
  • ICOトークンの流通性の高さや投資家のリスク等を踏まえて、以下のような仕組みを整備

・ 50名以上に勧誘する場合、発行者に公衆縦覧型の発行・継続開示を義務付け
・ 仲介業者を証券会社と同様の業規制の対象とし、発行者の事業・財務状況の審査を義務付け
・ 有価証券と同様の不公正取引規制を適用
・ 非上場株式と同様に一般投資家への勧誘を制限

 

◆その他のICOへの対応

  • ICOトークンを取り扱う仮想通貨交換業者に、事業の実現可能性等に関する情報提供を義務付け

 

金融庁は、2017年10月の通知にて、ICOを実質的に禁止しています。 しかし、上記報告書では、一定の条件を満たすことでICOを可能とする内容です。

 

STO解禁への道

 

上記報告書では、STOおよびセキュリティ・トークンについては触れられていません。しかし、ICOが解禁されれば、STO解禁へのハードルは大きく下がります。
ただし、「仮想通貨交換業等に関する研究会」では、ICOについては盛んに議論されたものの、STOについてはほとんど検討されていません。 したがって、今国会でSTOの解禁が議論されることは考えにくく、すなわち年内のSTO解禁は難しいものとも思われます。他方、スイスやイギリスなどSTOに対して友好的な国々では、セキュリティ・トークン発行に関するニュースが毎週のように報じられています。このままでは我が国のブロックチェーン産業や金融業界が後れを取ることになりかねません。
STOに対する政府内の議論が早期に開始されることを願います。

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